冷蔵庫にある食材を並べて、AIにレシピを聞く。便利な使い方ですが、返ってきたレシピが作れないことはありませんか。
私の場合、揚げ物を提案されて困ることがよくありました。平日の夜に油を用意して、温度を管理して、後片付けまでする気力はありません。手の込んだソースを作らせようとしてくるのも同じです。材料が家になかったり、そのためだけに鍋をもうひとつ使うことになったりします。
原因はAIの性能ではなく、こちらの頼み方にあります。食材だけ渡すと、AIはその食材を最大限に活かそうとします。張り切ってしまうのです。
この記事では、AIにレシピを聞くときに指示へ入れておきたい4つの要素をまとめます。
なぜ作れないレシピが返ってくるのか
AIは渡された食材を見て、それを一番おいしく食べる方法を考えます。料理としては正しい提案です。
ただ、AIはこちらの事情を何ひとつ知りません。
- 今日どのくらい時間と気力があるのか
- 家にどんな調味料があるのか
- 揚げ物をする気があるのか
- 洗い物をどれだけ増やしていいのか
これらを伝えないまま「この食材でレシピを教えて」と頼めば、制約なしの最善手が返ってきます。それが揚げ物であり、手の込んだソースなのです。
逆に言えば、足りないのは制約だけです。そこを伝えれば結果は変わります。
指示に入れるべき4つの要素
1. 工程数と時間の上限
これが最も効きます。
「簡単に」だけでは足りません。AIにとっての「簡単」と、疲れて帰ってきた人間にとっての「簡単」は違います。数字で伝えるのが確実です。
工程は3つ以内、調理時間15分以内で作れるものにしてください
この一文があるだけで、揚げ物はほぼ提案されなくなります。揚げ物は工程が多く、時間もかかるからです。 料理名で禁止しなくても、条件から自然に外れます。
余裕がある日は「工程5つ以内、30分以内」にすればいい。数字を変えるだけで、返ってくるレシピの性格が変わります。
2. 洗い物の量
見落とされがちですが、作る気力を左右するのは洗い物です。
フライパンひとつで完結するものにしてください
鍋とフライパンとボウルを使うレシピは、工程が3つでも負担が大きい。ここを指定しておくと、実際に作る気になるレシピが返ってきます。
3. 家にある調味料
これが「複雑なソース」への対策になります。
AIは、調味料は当然あるものとして書きます。オイスターソース、ナンプラー、白ワインビネガー。ひとつ足りないだけで、そのレシピは作れません。
対処は、持っているものを挙げてしまうことです。
使える調味料は、塩、こしょう、砂糖、醤油、味噌、酢、みりん、酒、 サラダ油、ごま油、マヨネーズ、ケチャップです。 これ以外の調味料を使わないレシピにしてください
最後の一文が重要です。これがないと、挙げた調味料に加えて別のものを足してきます。
4. 手順の書き方
意外に効くのが、手順をどう書くかの指定です。
工程は番号付きで、1工程を1〜2文で書いてください
同じレシピでも、手順が長い文章で書かれていると難しく見えます。読むのが面倒だと、作る前に気持ちが折れます。
番号付きで短く書いてもらうと、簡単な料理はちゃんと簡単に見えます。実際の手間は変わらないのに、取りかかりやすさが変わります。
賞味期限が近いものを優先させる
自炊をしていると、使い切れずに期限が切れる食材が出てきます。私もこれが多いほうです。
冷蔵庫にあるものを全部並べてAIに渡すと、AIはいちばんおいしそうな組み合わせを選びます。期限が近いかどうかは分かりません。
なので、そこは明示します。
にんじんとほうれん草を必ず使うレシピにしてください
「使ってください」ではなく「必ず使う」と書くのがコツです。曖昧に書くと、候補のひとつとして扱われて外れることがあります。
これだけで、冷蔵庫の整理を兼ねた献立になります。
そのまま使えるテンプレート
上の4つをまとめると、こういう形になります。コピーして使ってください。
冷蔵庫にある材料で作れる料理を提案してください。 # 今ある食材 (食材を並べる) # 優先して使いたいもの (期限が近いものなど) ※これを必ず使うレシピにしてください # 使える調味料 (家にあるものを並べる) # 条件 - 2人分 - 工程は3つ以内、調理時間15分以内、フライパンひとつで完結するもの - 挙げた食材と調味料だけで作れるレシピにしてください。 他の材料が必要な場合は、その旨を明記してください - 特別な調理器具(オーブン、圧力鍋、ミキサーなど)を使う場合は、 冒頭に書いてください - 工程は番号付きで、1工程を1〜2文で書いてください # 出力 2〜3案を提案してください。 それぞれ、料理名・材料と分量・手順の順に書いてください。
「特別な調理器具」の項目を入れているのは、手順の途中でオーブンが出てくると詰むからです。冒頭に書いてもらえば、読んだ時点で判断できます。
それでも面倒なときは
とはいえ、毎回この前置きを書くのは面倒です。 特に食材の一覧は、冷蔵庫を開けるたびに書き直すことになります。
私もそう思って、選ぶだけでこの指示文が組み上がるアプリを作りました。「れいぞうこレシピ」といいます。
食材はタップで選びます。もう一度タップすると「優先して使いたいもの」になるので、期限が近いものはそこで指定できます。調味料と手間の設定は保存されるので、2回目からは変わったところだけ触れば済みます。
できあがった指示文はコピーして、普段お使いのAIに貼るだけです。ChatGPT・Claude・Geminiを直接開くボタンも付けています。
登録もインストールも不要です。
最後に:出てきたレシピは確認する
これは当たり前のことですが、念のため。
AIが書いたレシピを、そのまま信じないでください。 加熱時間の目安や、生で食べられるかどうかといった判断を誤ることがあります。特に肉や魚の加熱については、必ずご自身で確認してください。
食物アレルギーがある場合も注意が必要です。 こちらから伝えない限り、AIはアレルギーに配慮した提案をしません。伝えたとしても、確認は自分でする前提で読んだほうがいいと思います。
AIは献立を考えるのが得意です。最終的な判断は、作る本人が持っておくべきものだと思います。
ほかにも日常のちょっとした場面で使えるアプリを公開しています。よかったらアプリ一覧もご覧ください。


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